自分に向いてる働き方って?不器用だった私が見つけた“ちょうどいい働き方”
「正社員が正解」だと思っていた20代の私へ
医療職として働きながら、モヤモヤしていた日々
大学を卒業し、放射線技師として病院に就職した私は、正社員という働き方以外に選択肢があるなんて考えもしていませんでした。
医療職として勤務し、フルタイムで患者さんと向き合う日々。気がつくと心と体の疲れがどんどん蓄積していきました。
日々の業務は忙しく、休憩もままならない。人と関わることが多く、気を遣いすぎてしまう性格もあり、家に帰るとぐったりして何も出来ない毎日。次第に「この働き方、本当に自分に合ってるのかな?」という気持ちが湧いてくるようになりました。
また、数年働くと業務に慣れてきて、新しいことがなく単調な日々が続くだけの毎日に嫌気が刺すようになっていました。
プログラミングとの出会いで「他の働き方」に気づき始めた
そんなときに出会ったのが、プログラミングの学習でした。趣味半分、興味半分で始めたものでしたが、「手を動かして、黙々と何かを作る」作業が私にはとても合っていました。
また学習コミュニティに参加して、Web制作の仕事を副業で行ったり、フリーランスとして働く人たちに出会ったことをきっかけに、「もっと自分に合った働き方があるのでは?」と考えるようになりました。「医療職以外の道もあるんだ」と視野が広がり、初めて“正社員でなければならない”、という思い込みが少しゆらいだ瞬間でした。
「好きな仕事」なのにしんどかったWebディレクター時代
転職に踏み出したときの不安と希望
その後、思い切って医療職からWeb制作会社のディレクターへ転職しました。未知の業界に飛び込むのは正直怖さもありました。「私にできるのかな」「前職とは全く違うけど大丈夫?」という不安でいっぱいでした。
でも同時に、「もっと自分らしく働けるかもしれない」という期待もありました。なにより、挑戦してみたかった。何も行動しないまま後悔はしたくなかった。転職という一歩を踏み出せたことは、自分にとって大きな転機でした。
楽しさと、心と体の限界が同居した1年
Webディレクターの仕事は、やりがいもあり本当に楽しかったです。クリエイティブな仕事に関わることで刺激も多く、毎日が充実していました。
しかし同時に、業務のスピード感やクライアント対応、夜遅くまでの調整などに心も体もついていかなくなりました。気づけば、日々のタスクに追われ、休みの日も仕事のことが頭から離れなくなっていました。
「好きなのに、しんどい」。この矛盾に苦しみながら、1年後、私は退職を決意しました。
休むことは逃げじゃない。立ち止まって見えたこと
「もっとがんばらなきゃ」の思い込みから抜け出す
退職を決めたとき、自分の中には大きな罪悪感がありました。「せっかく転職したのに」「もっとがんばらなきゃいけないんじゃないか」と、自分を責める気持ちも強くありました。
でも、本当は結構前から限界でした。体は正直で、涙が止まらない日も多く、不安や疲労感が続いていました。
「がんばり続けることが正義」だと思い込んでいた自分にとって、“立ち止まること”はとても勇気のいる選択でした。
回復した今だから思う、“自分を守る働き方”の大切さ
一度立ち止まったことで、初めて「自分を守る働き方」について考えられるようになりました。何をするかより、「どう働くか」の方がずっと大事だったのかもしれないと気づきました。
頑張りすぎて壊れるくらいなら、少し立ち止まったっていい。むしろ、「休む」ことこそ、自分や周りを大事にするための選択なのだと、今なら胸を張って言えます。
仕事を“分ける”ことで心が軽くなった
2つの職場で週4〜5勤務という新しい働き方
現在の私は、再び放射線技師として働いていますが、以前とは働き方が大きく変わりました。週2〜3日は病院、週1〜2日は別の健診施設という、2つの職場でアルバイトとして働いています。
職場を分けたことで、人間関係によるストレスが分散され、精神的にもとてもラクになりました。また、週5フルタイムではなくなったことで、生活に余白が生まれ、心にゆとりを持てるようにもなりました。
誰かの「普通」じゃなく、自分にとってちょうどいい働き方
正社員でも、週5勤務でも、毎日同じ場所に通うことでもない。
“ちょうどいい働き方”は、人それぞれ違います。
私は「自分にはこれが合っている」と思える今のスタイルにたどり着くまで、色んな働き方を試してきました。どれも無駄ではなく、その過程があったからこそ、今の自分があります。
異業界転職したからこそ気づけたこと
Webディレクターを経験して、放射線技師の仕事の方が自分のライフスタイルに合っていることに気がつきました。
医療職はクリエイティブ職に比べると単調な仕事が多いけど残業も少ないし、多くのタスクに追われて神経をすり減らすことはない。
自分は何の新しい変化もない仕事が苦に感じていたのですが、働く時間を減らして作った時間を利用して、何か在宅で出来る副業に挑戦しようと思っています。
そうすることで仕事に対する嫌な気持ちも解消されました。
まとめ|“不器用な私”が働き方を見直して得たもの
「自分に合う働き方がわからない」「今の働き方に違和感がある」
そんなふうに感じている人は、もしかしたら少しだけ“がんばりすぎている”のかもしれません。
正解はひとつじゃなくて、働き方はもっと自由でいい。
私自身、不器用で遠回りもしましたが、「無理をしないこと」「自分を守ること」の大切さにようやく気づけました。
もし今、ちょっと立ち止まりたい気持ちがあるなら――
それは逃げではなく、“新しい自分に出会う準備”かもしれません。
変化することはとても怖いと思います。でも、自分から変えようとしなければ一生そのままです。
その選択が失敗だったとしても”自分で選択をして1歩を踏み出せた”ことが大事なのではないでしょうか。